コンステレーション的東洋医学

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● 腰痛の原因は?

 

「慢性腰痛の原因は?」と問われれも「明確にこれです!」と断定は難しい、というのが最新の医学の答えです。

 

これまで病院ではMRIやレントゲンの所見で「ヘルニアが原因で痛いんですよ!」などと診断していましたし、非常に納得的だと思ってたけど、それだけでは結論付けられないことを明らかにしたのが2018年の理学療法腰痛ハンドブックでした。

 

(※ もちろん骨折や腫瘍など原因が明らかな腰痛もあります)

 

● 絡み合う糸の中で

 

じゃぁ腰痛の原因はなんだろう?と辿っていくと、筋肉や骨の物理的要因だけでなく、メンタルや、社会的に置かれた環境や、運動習慣や・・・そんな様々な要因が絡み合い、腰痛が発症するというのだというのが、最も誠実で科学的な態度であり、2019年の腰痛ガイドラインで示されたことです。

 

それはまるで中島みゆきの「糸」のように、様々な糸が絡み合い織りなされているような世界でもあり、仏教の縁起論でもあります。

 

 

● 複雑なものを複雑なまま

 

絡み合う織物の中で「何が原因で→何が結果か?」、犯人を突き止めたい。というのが現代科学の方向性ですが「それはできないよ」と、いうのが複雑系科学の出した答えです。

 

であれば、そんな「複雑なものを複雑なまま」犯人捜しはせずに、まるごとハーモナイズさせればいじゃないか?という立場が、東洋医学の戦略です。

 

 

● 安易に部分に原因を還元しない

 

そんなことを何度も何度も検証しているうちに、いま東洋医学でよく言われる「腰痛には → ○○のツボ」だけで終わらせてしまうのは、違うんじゃないかと強く思っています。

 

複雑に絡み合う織物のなかでは、原因と結果が1対1で結びつくことの方が少ないからです。

 

 

● コンステレーション的東洋医学

 

そんなことをずっと考え、じゃぁ何が東洋医学に出来るのか?考えている時に、河合隼雄さんのコンステレーションの考え方と結びつきました。

 

例えば星占いで「今日のあなたの運勢は○○でしょう」と、言われてもそれが科学的に正しいわけではありません。でも占い師側にも、星の運行や様々な理論がありそう導き出されるわけです。

 

(実は東洋医学もよく似ていいます、現代科学とは違うけど、様々な東洋医学の理論に基づき、診断を下します)

 

大切なことは、その占いが正しいか間違いか?科学的かそうでないかではなく、その診断をメタファーとしてそこから対話を深めていく「プロセスにこそ意味がある」ということです。

 

 

● なぜメタファーとしての診断なのか?

 

ここが一番悩んだところでした。

 

東洋医学の診断は治療者側の主観によるところが大きく、例えば脈のみかた、腹診の仕方なども治療者によって大きく判断が変わります。

 

ましてや流派によって腹診などは、見方が違うので、何を基準にすればいいのか?学べば学ぶほど迷うのです。

 

さらに不思議なのは、診断が10通りあって違っていても、それぞれ治っていくことです。これはプラシーボか、もっと違う要因のことが起こっているのだというのが、僕の辿り着いた仮説でした。それがコンステレーションなんです。

 

そしてメタファーとしての診断であれば、部分に還元されるのではなく、むしろ可能性を広げてくれる。

 

 

● プロセスワークのような

 

東洋医学の診断を、メタファーとしてみることで、すごく腑に落ちました。

コンステレーション的対話を重ねることで、無意識化に押し込めていたものが投影され、それが変容していくところに、東洋医学的治癒が起こるのだと思っています。

一番近いのはミンデルのプロセスワークではないかと思っています。

 

 

● 伝わりづらいと思うけど

 

こう書いても、多くの人には全然響かないと思うし、東洋医学系の先生からはお叱りを受けるかもしれません。

 

ここまで長々と書いたので、誰もうんざりして読まないかもしれないけど、とにかく書かずにはいられなかったので書いてみました。

 

昨年行ってきた東洋医学講座でも、ここまでは踏み込めなかったけど、もうようやく確信を持ったんです。

 

とにかく書き終えてスッキリ!はぁ~おわり。

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