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★ のみ友通信 第136号 ★
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2024/6/8
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昔サラリーマンをしてた頃のお話です。
何をやっても業績の上がらない
組織ってあるもんなんです。
みんな頑張って残業してるのに
悲しいくらいにうまく行かない。
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やがて「これは誰のせいだ?」と
犯人捜しがはじまります。
「課長のマネジメントが悪い!」
「いやいやTOPのせいだ!」
と、次々に人事異動になり
代わりに優秀な人が
送り込まれるんだけど
事態は一向に変わりません。
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さて、みなさん
このどんよりした組織を
イキイキと蘇らせるには
何が必要だったと思いますか?
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えっ、今日のタイトルは
「慢性腰痛特集」なのに
組織の話とは関係ないだろって?
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いえいえこれこそが
慢性腰痛の本質なのです!
「犯人は誰?」
「悪いのはどこ?」
と、詳しい検査をして
悪いやつを排除する。
そんな機械修理のような
手法が慢性腰痛には
フィットしないのです。
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いったい何が起こっていて
どうすればいいのでしょう?
ヒントは
「目に見えないものへのアプローチ」です。
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えっ「お祓いする」とか?
いえ、それも効果あるかもですが
今日の話はそういうんじゃなくて(笑)
ではいったいなに?
今日はそんなおはなし。
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● 目次
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・慢性腰痛の原因ってなに?
・慢性腰痛のエビデンス
・慢性腰痛のセルフケア
・腰痛改善ヨガ指導者養成講座
・解剖学講座
・編集後記
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● 慢性腰痛の原因ってなに?
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日本人の抱える症状のTOPである腰痛。
近年、世界中で研究が進み
従来の常識が次々と覆っています。
ではその原因って何なのでしょ?
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僕達が一般的に抱いている
「原因」のイメージって
機械故障のようなものですよね。
・細かく検査して
・どこか悪い箇所を発見し
・修理すれば治る
という捉え方でした。
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でも慢性腰痛は
少しわけが違うんです。
慢性腰痛の原因って
筋肉や骨や神経という
物理的なダメージ「だけ」でなく
・メンタル
・生活習慣
・社会的環境をも含めた
様々な要因が絡み合い
生起するものであることが
わかってきました。
複雑だからいろんな治療をしても
簡単に良くならない。
だから慢性なんです。
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複雑に絡み合ったクモの巣を
イメージしてみて下さい。
例えば
会社でストレスが多いと
↓
メンタルも落ち込み
↓
痛みに過敏になり
↓
よりメンタルも落ち込み
↓
会社でもイライラして
というように
フィードバックしあいながら
複雑に絡んでいます。
すると「どこが悪いのか?」と
部分を細かく検査しても
原因は見つかりません。
問題は
・目に見える「部分」ではなく
・目に見えない「部分と部分の間」
=「つながり方」「バランス」にあるからです。
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冒頭のうまく行かない組織でいえば
・目に見える「誰か」が悪いのでなく
・目に見えない
コミュニケーションの質や
情報共有のシステム
チームとしての信頼感
に問題があったと言えます。
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分かりやすい例でいうと
スター選手を揃えた野球チームが
チームワークが悪ければ
勝てないのと同じです。
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まとめると慢性腰痛の原因は
・複雑に絡み合っていて
・特定が難しい
・部分の問題というより
・全体の「つながり方」「バランス」の問題
というのが答えです。
ならば僕たちに出来ることは
なんなのでしょう?
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● 慢性腰痛のエビデンス
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・慢性腰痛の原因は特定しにくいけど
・全体のつながり・バランスを改善すればいい
もうすこし具体的書くと
・神経系・血流・リンパ系など【体内のつながりの質・バランス】
・対話や触れ合い、交流を通じ【他者や社会とのつながりの質・バランス】
を改善することなんです。
(※ 東洋医学では「気血水」を巡らせると表現します)
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これは「生態学的アプローチ」と呼ばれ
複雑系科学をベースにする手法です。
(実は東洋医学や仏教などの東洋哲学はこの分野を扱っています!)
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それらを踏まえ
以下は世界中の最新の研究のご紹介です。
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これまで慢性腰痛には
湿布や痛み止めが一般的でした。
しかし最新の研究はそれらの処置より
「運動療法」を強く推奨しています。
さらにヨガは
心身に働きかける可能性から
高い注目を集めています。
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大切なので繰り返しますが
「運動療法もいいね!」ではなく
・これまで病院で行ってきた処置より
・高いエビデンスの裏付けと共に
・運動療法を「強く推奨」しています。
・さらにヨガがいい!
大きな変化ですよね。
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ではどんな運動やヨガを
どのくらいやればいいのでしょう?
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● 慢性腰痛のセルフケア
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実はここが一番大切なポイントです。
「この運動をこのくらいやりましょう」
というエビデンスがないからです。
(えっ?)
よく考えたら、そりゃそうですよね。
年齢や症状、生活習慣や社会的環境など
千差万別の人に対して
唯一○○するといいですよ。
みたいなものがあるわけがありません!
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何より大切なのは
○○筋ストレッチを
◇◇分というような
「何をどのくらい」という
数字で表されるものよりも
数字では客観的に表せない
「質」を改善することです。
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米国国立補完統合衛生センター長
ヘレン・ランジュバン氏は
腰痛改善にも関係の深い
炎症抑制に効果的なストレッチとして
箇所や時間などではなく
「気持ちいい所を気持ちいいように」
と表現しています。
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僕の表現では
・身体の言い分を聴きながら
・痛すぎない・ゆるすぎない
・ちょうどいい所を探るように
・モゾモゾ微調整する
= カラダとの対話
という感じでお伝えしています。
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実際には
・キャット&カウ
・コブラ&チャイルドポーズ
・ねじり
などいろんなポーズをお伝えしますが
ポーズを完璧に行うのが目的ではなく
そのポーズを行う「質」を変える。
そこが一番大切です!
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ためしに
仰向けになり両腕で膝を抱え
ちいさくモゾモゾしながら
自分にとってちょうどいい所を
探ってみて下さい。
あっけないほどシンプルなポーズですが
ただやるだけでなく
ていねいに身体と対話しながらやると
多くの発見があると思います。
そしてそこで身体と行った対話を
他者や社会とも行ってみる。
それが
【体内のつながりの質・バランス】
【他者や社会とのつながりの質・バランス】
を改善するという意味です。
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とても長くなりました。
ここまでのことは
僕が何十年にもわたり
身体のことをまなんできた
集大成のようものです。
すぐにピンとこないかもしれないけど
共感してくれる人がいてくれたら嬉しいです。
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● 編集後記
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すごく長くなりました。
今日、書いたことは
東洋医学・東洋哲学
解剖学・複雑系科学
仏教の縁起論
スピノザ哲学などのまなびから
辿り着いたものです。
それらの系譜は
ぜんぶこのメルマガで
紹介して来ました。
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■本メールに関するお問い合わせ先
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Unplug-lab Japan 野見山 文宏&雅江
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